150XC-W ベンディックスのメンテナンス
はじめに
150XC-Wのベンディックス周りの清掃とグリスアップを行いました。
素人の作業ですので参考程度にしてください。
経緯
その時にKTM系の2ストモデルで有名(?)な「ベンディックス問題」を放ったらかしにしてたのが気になっていて部品も揃ったので今回作業してみました。
ベンディックス問題
ベンディックス問題を簡単に説明すると
- KTM、ハスク系のセル付2ストモデルに起こる
- ベンディックスという伸縮式のギアの部品が故障する事でセルモーターが空回りする
- ベンディックスの軸受け部のブッシュが破損してケースが割れる事も
- どちらも修理は高額になるかも
- メンテナンスしていればリスク減
- MY17モデルからはかなり改善されてるらしいが、それでも定期的なメンテナンスが必要
という感じです。
150XC-Wはちょっと特殊
150XC-Wはと書きましたが「2017以降の125、150モデルは」です。
それ以外のモデルは沢山ネットに記事が出てるのでそちらの方が分かりやすいです。
特にFUNAI RACINGさんの記事はグリスの選定や作業工程が分かりやすくとても参考にさせてもらいました。
ではどこが他のモデルと違うのかと言うと
「フライホイールを外さないとベンディックスが取れない」です。
「ほな外せばええやん」って思うかもしれませんがそう簡単ではないのです。
専用工具がいる
フライホイールを外すには専用のフライホイールプーラーという専用工具がいります。
前のバイクでフライホイールを外した事があるので知っていました。
しかもその時フライホイールプーラーを購入したので持っています。
が、しかし…
KTMのフライホイールは特殊で僕の持っているフライホイールプーラーは使えませんでした。
なので専用のフライホイールプーラーが必要です。
定期的にメンテナンスするのであれば持っておいても損はないでしょう。
必要な物
- グリス
僕はシリコングリースメイトを使いました。
用途的に合ってるかどうか分かりませんが、とりあえず持ってたからです。
- フライホイールプーラー
- パーツクリーナー
- ウエス
- 予備のガスケット(破れた時用)
純正部品番号 50430040000
- カラーブッシュ(交換する時用)
純正部品番号 55140030100
カラーブッシュは対策品もある
ブッシュはブロンズ製の耐久性が高い対策品もあります。
250/300用とありますが、ブッシュの純正部品番号が150(125)も共通なので適合すると思います。※実際試してないので自己責任でお願いします
2017 KTM 300EXC Electric Starter Repair
作業
まずはバイクを横倒しにします(この方が作業しやすいだけでオイルが漏れてくるからとかではないです)
クランクケースのボルトを外して開けます(8mm)
ガスケットは再利用できるので破れたり折れたりしないよう注意しましょう
これがケース側のブッシュです
これがベンディックスです
このベンディックスを抜きたいけど横のフライホイールが邪魔で外れません
なのでフライホイールを外します
まずセンターナットを外します(17mm)
普通の工具で回してもフライホイールが一緒に回ってしまうので外せません
ユニバーサルプーリーホルダーとかいう特殊工具もあるようですが、僕は14.4vのインパクトドライバーで外しました
スプリングワッシャーもあるので忘れずに
ここでようやくフライホイールプーラーの出番です
2つに別れるのでこのようにセットします
そして大きい方をモンキーなどで押さえてロゴが入ったボルトを19mmの工具で締めつけます
僕はインパクトドライバーで回しました
すると「ポコっ」とフライホイールが外れます
フライホイールは磁石になってるのでその辺のワッシャーなどがくっつかないように気をつけましょう
これでベンディックスが取り出せます
これがベンディックスです
このように伸縮します
汚れてるので掃除します
カラーが削れたり割れたりしてたら交換します
今回はカラーの交換はなしなのでグリスを盛って戻します
フライホイールは取り付けの際には専用工具はいらずそのまま締め込めばハマります
ガスケットは破れたり折れたりしてなければそのまま再利用します
ケースのボルトを締めます(8mm 8Nm)
そして完了
これでセルボタンを押してテストして問題なければ終了です
まとめ
ベンディックスの清掃・グリスアップをしてみました。
専用工具が必要ですが、作業自体はとても簡単で慣れれば10分程度でできると思います。
今回は不具合があってからの作業ではなかったので特段良くなった実感はないです。
でもこれをやっておくと少しだけ安心感はあります。
できれば2〜3ヶ月に1回くらいはやろうと思います。