150XC-W セルモーター交換・流用
はじめに
150XC-Wのセルモーターを交換しました。
他車種部品の流用はできるのかなど情報を書き残しておきますが、使用や作業は自己責任でお願いします。
経緯
セルモーターが回らなくなった
突然ではなくちょっと前から怪しかったです。
セルボタンを押した時の音が鈍くなってきてました。
元々かかりは良くなくて、特に冷間時のセルでの始動はほぼ無理だったのでキックでかけてました。
前々回の走行くらいから「ギュイ...ギュイ...ギュイ...」と本格的にセルの回りが鈍くなってきたんで、前回走行時はオールキックで始動してました。
最初はバッテリーの電圧が下がってるのかと思ってテスター で計ったらバッテリーは正常でした。
試しにセルボタンを押し続けたら「ギュイ...ギュイ...ギュイ..ギュイ..ギュイ.ギュイキュキュキュキュキュ」と間隔が短くなって始動できました。
そのあとも数回試したらどんどん間隔が短くなっていずれ普通に始動出来るようになりました。
なぜか直ったのが嬉しくて何回かテストしてたら突然ピクリともセルが回らなくなりました。
原因究明
まず何が原因か見つけなければ修理できません。
KTMの2スト車両のセル不具合で有名なのはベンディックス空回り問題ですが、今回は症状が違います。
Twitterでツイートしてみたところ、数人から同じ症状だとリプが来ました。
皆さんセルモーター交換で直ったとの報告が。
前々から動きが怪しかったセル、とうとうピクリとも回らなくなった。
— うらら (@bokp1610) 2020年3月9日
これで恐らく原因はセルモーターの故障だと判明しました。
しかしちょっと信じたくない自分もいるので一応テスターを当てていって故障箇所を調べました。
まずセルスイッチはボタンを押すとリレーから「カチッ」と音がするので大丈夫です。
次にリレーも調べましたが大丈夫です。ヒューズも飛んでません。
次にリレーからセルモーターへの配線も調べましたがここも大丈夫でした。
となるとやっぱりセルモーター本体が原因です。
セルモーターを分解してみた
ブラシや接続部を磨いて直ったらラッキーと思ったので交換する前にバラしてみました。
ここまで完全にバラしてみたら原因が判明しました。
コイルが焼き切れてます 。
もうこれは交換確定ですね。
という訳でセルモーター交換です。
セルモーターの選択肢
セルモーターは純正部品以外のもいくつか選択肢があります。*間違いがあるかもしれないのでご自身で要確認
純正部品
KTMの純正部品です。これは間違いなく適合できますし1番安全です。
部品番号50440001000
価格は29700円でした。
高いし在庫なければ到着まで時間がかかります。
社外品
海外通販なら社外品が購入できます。
e-Bayなどで純正部品より安い社外品を見つけました。
送料入れて10000円くらいでしょうか?
純正部品よりは安いですね。でもこれも恐らく到着まで時間がかかるでしょう。
他車種流用
Twitterのフォロワーさんに教えてもらったのですが、ホンダ ジャイロのセルモーターが流用できるようです。
それを聞いて自分なりに調べた結果
- ジャイロの方が少しサイズが小さい(容量も小さい?)
- 小加工が必要らしい
- セルモーターカバーが付かなくなるらしい
- 純正品番 31210-GR1-014
- 価格は17930円(Web!keで2日ほどで発送)
- 社外品もたくさんある
- 社外品は2000円前後(ショップにより即納あり)
ジャイロの社外セルモーターにした
レースも近く早く治したい、そして何より圧倒的な値段の安さ。
とりあえずはこれを試してみようと思います。
取り付け
比較
Amazonプライムで購入したので翌日には届きました。
まずは純正モーターと比較していきます。
パッと見のサイズやネジピッチはほぼ同じに見えます。
事前に「セルモーターカバーが付かない」と聞いていましたが問題なく付きそうです。
Oリングが付いてこないというレビューがありましたが、今回はちゃんと付属されてました。
1番大きな違いは配線をネジで止めるためのネジ穴の径が違います。
これはネジ穴をドリルなどで広げないといけません。(4mm)
商品によって差がある
後々知ったのですが、商品によって若干仕様の差があるみたいです。
若干と言ってもこれがなかなか大差で。
上の画像の物は○印の部分がオフセットになっています。
こちらのタイプはセルモーターカバーが付けれなくなります。
下の画像くらいまで削ればカバーは付けれるようになりますが、その分モーターのギアが中に入るので、ケース内に干渉して最悪削ってしまう可能性があるのであまりオススメはしません。
下の画像のタイプを購入するか、カバー取り付けを諦めた方がいいでしょう。
取り付け作業
あとは元通りに取り付けていくだけです。
しかしちょっとした問題発覚です。
セルモーターが振れてエンジンに直接当たらないようにするゴムクッションのようなものが付かなくなります。
事前に聞いていた「セルモーターカバーが付かない」というのはこのことでした。
原因はジャイロ用の方が若干径が大きいのです。
対策としては別のゴムクッションで代用するのがいいでしょう。
両面テープで貼れるタイプの物が良さそうですね。
それさえ対策すればあとは普通に取り付けできます。
試運転
とても元気よく1発で始動できました。
正直今までで1番気持ちよくセルが回りました。
容量が小さいかもと言われてましたが、サイズも大きくなってますし同じかそれ以上かもしれません。
まとめ
セルモーターを他車種(ホンダジャイロ)の物に交換しました。
今回は急いでいた事もありすぐに入手できるジャイロの社外品にしましたが、コスパも良くとても満足しています。
正直耐久性が多少悪くてもこの値段なら全然OKです。
加工するのやゴムクッションが付けれなくなるのが嫌な人は時間に余裕があるなら海外通販で専用の社外品がいいと思います。
僕も今度試してみようと思います。